仮に十八歳で仕事に就こうとする若者を、高い賃金で雇わなければならないと法律で決められていると、企業は二の足を踏むであろう。経験のない若者を高い給与で雇うくらいなら、経験のある中高年を同じ給与で雇うほうが、合理的な意思決定ということになる。こうした事態を打開するためには、経済的には賃金水準を下げることが効果的なのだが、現実のフランスでは若者自身も最低賃金の引き下げを嫌がり、望む職業がないならばむしろ上級の学校に行って就職時期を先に延ばす者が多いと言われている。
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最低賃金が高いことが、フランスの労働需要を減退させている、とりわけ若年層雇用の需要を減退させている一つの要因になっている、というのがOECDの以前からの主張である。その政策的含意は、最低賃金を下げろ、ということになる。こうした見方に対し、エコノミストの間では、必ずしも決着はついていないようだ。最近の実証研究では、フランスでは最低賃金が若年雇用にマイナスの影響を与えているとの結果が出ているが、その関係は新しいデータを使うほど希薄になっている。