宝石は、真上から見たときの表面の部分、つまりテーブル面がいちばん美しく輝くようにカットされています。特に指輪の場合は真上から見ることがほとんどでしょう。でも、いろいろ見比べる時は、真上からだけではなく、あらゆる角度から見てください。アイオライトという宝石を御存知でしょうか?別名ウォーター・サファイアと呼ばれています。この宝石は上から見ると、ブルー・サファイアにとてもよく似た青い石です。ところが横から見ると、青い色はなく、水のように透明に見えるということからウォーター・サファイアと呼ばれているのです。見る方向によって色が違うというぉもしろい石ですが、これは、複屈折が強いためです。このアイオライトがリングだったとして、ショーケースのリングスタンドに並べられている状態で見たら、ブルー・サファイアと間違えて、そのままそう思い込んで買ってしまうあわて者もいるかもしれません。枠を斜めにして眺めてみるとすぐにわかることですが、意外な盲点かもしれません。また、上から見るぶんには申し分のない宝石の輝きを放っていても、下部に価値のない違う石が張り合わされている場合があります。張り合わせの種類はいくつかあります。二つを張り合わせてあるのをタブレット、三つはトリプレットといいます。また、下方部分をすっぽりと金属などで包み込んでしまうのは、フォイールバックといいます。いずれの場合も宝石の斜め横か、下から見れば、張り合わせた面が簡単にわかります。たとえば、エメラルドの下の部分に価値の無い無色の石が張ってあったり、オパール独自の効果を浮き上がらせるために、オパールの指輪にガラスや黒水晶(ブラックオニキス)が張られていることがあります。