ジャガーは独特の雰囲気があるけれど機構的にはオーソドックスなクルマだから、という一般的なイメージをことごとく覆して、現時点で考えられる最高のスペックが投入されたサルーンなわけである。でも、いくらスペックが一流でも走って大したことなければ意味はない。というわけで、乗ってきましたニューXJ。スペインの南西の端っこ、アンダルシア地方。そこでは青い空と、真っ直ぐ伸びる高速道路、それにウソのように空いた、しかも路面に適度なうねりのある高速ワインディングロードが待っていたのだった。そう、ニューXJの実力を試すのにお誂え向きのルートである。そこではV6に乗る機会を逸したが、V8には3種類すべてのエンジンに乗った。同様の排気量のV8を積んだメルセデスSやBMW7よりおよそ200kgも車体が軽いのだから驚く。実際に走っても、このクラスの大型サルーンにありがちな重々しい感触は皆無で、ニューXJは常に軽快に身をひるがえす。軽いということはコーナリングにもブレーキングにも有利だから、ニューXJは猛烈な速さでワインディングを駆け抜けていく。先代XJだったらリアが不安定になる速度域までコーナリングスピードを上げても、腰を落ち着けたまま危なげなく走り抜けていくのである。それでいて乗り心地の感触はまぎれもなくジャガーで、いわゆる猫脚の伝統に忠実なしなやかな動きを見せるし、絶対的なストロークも明らかに先代を凌いでいる。ニューXJは欲しければ買う価値のある素晴らしいクルマだと思う。そう、先代以上に。
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